「現実に救いはなく、空想に幸福があって───夜子はもう、空想でしか生きられない」
魔法使いの言うとおり。
あたしの現実は、もう終わってしまっているのだから。
「さあ筆を執ろう。夜子のための物語を、夜子自身が描きなさい」
ブランド:ウグイスカグラ
シナリオ:ルクル
公式サイト:紙の上の魔法使い
ウグイスカグラ処女作。自分のプレイ順としてはイストリア⇒パラレロ⇒かみまほ、という感じですね。ぶっちゃけていえば、この順番がおススメというか…。正直かみまほを一発目におススメは出来ないかなぁ。文章のクセとテーマのクセと描き方のクセが凄いので、パラレロかイストリアをやって慣れるのがよいのではないでしょうか。
つーかよくこのテーマで処女作出したな…。いや、同人時代も似たような作品を出しているそうなんで(プレイできてないんですけど)、そこらへんも酌んで作ったんでしょうか。分かりませんが。
そんな紙の上の魔法使いは、嘘が得意な少年と他者を排撃する少女によって語られます。
空想の幸福と、現実の苦しみ。はたして、そのどちらを選ぶべきかは、一体どんな本に描かれているのでしょうか。
ひとは退屈な嘘をつく
政治について、神について、愛について。
きみは、ある人物のすべてを知るための質問を知っているね。
あなたの一番好きな本はなんですか?
───ガブリエル・ゼヴィン 『書店主フィクリーのものがたり』
以下感想。ネタバレ注意で。
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