古明堂

『こめいどう』と読みます。主にエロゲの批評などをしております。

ネットの世界を現実に持ち込むということ

 

f:id:Koyayoi:20160117164112j:plain

 

 

 

最近、色々なオタク文化をテレビや町中で見るようになった。

年末年始なんか、紅白の小林幸子さんとか初音ミクの曲を歌ったり、ラブライブが出演してたりなんかと大騒ぎだ。他にも、ニュース番組でツイッターの話題を取り上げたり、一昔前なんかは「電車男」というネットの某掲示板(2chだな)での顛末をドラマ化までしてたりしてた。

まぁ、これを一概に良い悪いの話にするのはいささか問題があるのだけど、しかしこれに対して嫌な感情を持つ自分がいることは否定出来ない。

 

僕がオタクになり始めた頃、ちょっと興味本位で2chを覗いたり、ニコニコ動画なんかにコメントを打って楽しい!とかそういう半分黒歴史みたいなこと(これも黒歴史みたいな所あるけど)してた時、「オタクであること」は隠されるべき個人の趣味だった。時間で言えば大体10年前くらいだろうか。らき☆すたのお祭りがなかった頃とか、まぁそういう時代だな。

オタクというものが否定的だった時代から肯定的な時代に移り変わること自体に異論はない。(個人的に嫌悪感はあるけど)でも、オタクという文化を日本の「メインカルチャー」にしていいものかという懸念はある(偉そうだ)。

続きを読む

キリスト教について僕がつらつらと話すだけの回

 

f:id:Koyayoi:20151226190459j:plain

(画像は本文と全然関係ないです)

授業で、キリスト教の礼拝を聞いてその説教内容とそれに対しての感想を書けという課題がありまして。

せっかくだし力入れて書こうぜ、と書いたのが今回載せる文章なわけであります。

一応一つの内容書くのに1時間半くらいですね。

特に脈絡もないし、多分前後関係がないとよくわからないです。それはレポートとして大丈夫なのか。

 

まぁ、メモ用に残しておくという感じですね。多分全5回か。そんくらいです。

ちなみに僕は全然キリスト教を信じてないせいで、若干のコミュニケーション齟齬が起きてます。向こうは父なる神みたいな話を出すんですけど、こっちはそういうものを前提としてないんですよね。

なんでまぁ、多分僕が言いたいこと言ってるだけっていう。まぁ、いつものやつです。

 

続きを読む

ヒトでなし 感想 ―ヒトを救う、ヒトならざるもののハナシ―(5962文字)

「人を救えるのは人ではないものだけだ」

「仏様だって神様だって人じゃねぇだろうが。人でなしだよ。大体な。ヒトの言葉なんかじゃ人は救われた気にならねぇよ」―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

人が人を救えるかい、と老人は何処かで聞いたようなことを言った。

「あんた、そんなこととっくに解ってるんだろうに。違うか、オダさん。そうだろうよ。人が人を救うなんて、とんだ傲りだ。救ってくれるのは人じゃあない。だから神だの仏だのが要るのじゃないか。仏に救われようと思ったら仏の道をてめえで歩くしかねえのさ」―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

家族も。

社会も。

愛情も。

過去も。

俺が捨てたのか。―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

俺は、ヒトでなしなんだそうだ。

 

f:id:Koyayoi:20151202231034j:plain

タイトル:ヒトでなし 金剛界の章

著者:京極夏彦

出版社:新潮社

 

以下感想なのでネタバレ注意

 

続きを読む

ガンナイトガール 感想(2486文字)

 

 

f:id:Koyayoi:20151116093843j:plain

ブランド:キャンディソフト

シナリオ:かずきふみ

公式サイト:ガンナイトガールofficial web site

 

―――いずれ戦地に赴くあの人に、俺はなにをしてあげられるだろう。

 

 

というわけでガンナイトガールを先日クリアしたので、所感というか、そういうものを書いていこうかな、と。

別に詳しい考察をする気もないし、軽く作品の感想とコンセプトを推論したり。

まぁ言ってしまえば批評空間の長文コメントみたいな感じですね。

そういう軽い感じで、ネタバレ注意。

(以下感想)

 

 

続きを読む

フィクションは夢想か。我々が超越しなければならないものとは。 ――元長柾木氏のツイートを考える――

f:id:Koyayoi:20151124034554j:plain

 

あのCMを批判することと非西洋の文化を後進だ野蛮だといって改めさせる植民地主義って同根だと思うんですよね 進路が決まった女の子の笑顔をそんな簡単に否定できるの? その進路がブラック企業ならともかく、あの世界観ではそうじゃないじゃん フィクションを異文化としてきちんと受け止めようよ 

フィクションが無意味なら気遣いとか配慮とか全部無意味だって話ですよ でも違うじゃん 気遣いとか配慮が大事だって、みんなぼくたちに教育してきたじゃん じゃあなんであの子の気持ちを無視するんだよ 気遣いなんて建前ですか そうですか うわーん(T\_T)

フィクションをわれわれとは関係ない夢想だと切り捨てるなら、気遣いも思いやりも民主主義も全部不要ですよ 隣人の幸福をそんな簡単に無視できるなら、プラトンもルソーもただの道化ですよ 人類の歴史に意味なんてないですよ

規制とかの話で、現実とフィクションは別という戦術をとるのは、まあ理解できるものの、ほんとは異文化の尊重(われわれとは異なる営為で悦ぶひとがいる)ということを主張してほしいわけですよ せっかく、偉い人たちが非実在青少年の存在を認識してくれたんだから

 元長柾木氏によるこのツイートは、当時話題になったブレンディの牛を擬人化したと思われるCMを指したものだ。

このCMについては、以下のサイトが詳しい解説(考察)をしているので、それを知らない方はそちらをまず参考にして欲しい。

mistclast.hatenablog.com

さて、この一連のツイートで元長氏はどのような意図を持っていたのか?

それを、考えていこうと思う。

いわゆる元長柾木論というものにする気はないが、しかし元長氏の過去の作品(フロレアール、ギャングスタ・リパブリカ、猫撫ディストーション)のネタバレとなる話になるかもしれない。ようするにそういうものがあるということで。

 

続きを読む

『素晴らしき日々』考察―この物語は、あらゆる人を救うための物語―(28438文字)

 

f:id:Koyayoi:20150514181710j:plain

・ブランド:ケロQ

・シナリオ:すかぢ

・公式サイト:http://www.keroq.co.jp/suba/index.html

 

素晴らしき日々という、ゲームがある。

2010年に発売された美少女ゲーム、所謂エロゲーと言われるものですが、これは僕の価値観を大きく変えたものでした。

 

また、この考察はウィトゲンシュタイン論理哲学論考をベースとして素晴らしき日々が成り立っている、という前提がある。

つまり、ウィトゲンシュタインの話が唐突に出てくるのだが、そこは承知でお願いしたい。

 

非常に素晴らしいのでクリアしてから見てもらえると幸いです。

というわけで、以下考察。

※12月16日「雑記(ちょっと思ったこと)」に追記しました。

 

ネタバレ注意。

 

続きを読む