古明堂

『こめいどう』と読みます。主にエロゲの批評などをしております。

1月13日:『ルリのかさね』『ランスX~決戦~』など

明けましておめでとうございます、生きております(定例挨拶)。

 

たびたび言っているのですが、まぁ私生活がどうもドタバタしてまして。いえまぁ、ドタバタ自体は11月に終わっていたのですが、ランスXが…面白すぎて…。よくあるよくある。

 

しかしまぁ、いくつか纏めておきたい内容の話もチラホラ出てきまして。どういう形で出すかはわかりませんが(批評の一部か久しぶりの雑記か…)、いつか出せればいいですね。ここで言った話を実現した試しはないんですけども。

前回の日記とかでは「今年は10本くらいは…」とか語ってましたが、全然達成できなかったり。うんうん、よくあるよくある。

そろそろブログ5周年なので何かデカい記事でもかければ、とかなんとか。いや、5周年記念という形で出すならそろそろ着手しなければならないのですけどね。

 

というわけで今回は『ルリのかさね ~いもうと物語り~』『JQV人類救済部』『ランスX ~決戦~』の話。

以下ネタバレ注意で。

 

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景の海のアペイリア 感想 ―<わたし>の在り処— (4914文字)

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受け入れろ。お前はお前だ。

今ここにいるたった一人のお前しかいない。

他の何者かになれるわけがない。

 

ブランド:シルキーズプラスDOLCE

シナリオ:範乃秋晴

公式サイト:景の海のアペイリア

 

なんか最近妙にSF作品に触れる機会が多いんですけど、やっぱりAIを主題にしたSF作品は最近ならではですよねぇ、とか。

一番直近の作品なら”三体”がオススメだったり。異文明とのファーストコンタクト…。まぁSFならではのテーマであり、これは問われるべき問題なのかなぁ、とも思います。

 

というか、シルキーズプラスは”ななリン”からやってるんですけど(なんなら立ち上げ当初から知ってる)いつの間にこんな系列が増えたんですか…?そもそも、系列を増やすことに何の意味があるのかという疑問もあるんですけど、そこらへんは経営的判断なんですかねぇ。評価が低い作品を出した次の作品は売れにくい、みたいな。

まぁそこらへんを含めてシルプラは比較的安心できるメーカーですし、企画/シナリオの範乃秋晴は僕も”あの晴れわたる空より高く 批評”で書いた通りGoodシナリオライターなので余計な不安はなかったのですが、十分に期待を上回ってくれましたね。

科学ネタをちゃんと描けるライターってとても珍しいので、皆さんも買うといいですよ。

 

そんな景の海のアペイリア感想。今回は自己と、そして小話として僕のAI論を少しだけ。

<わたし>とは何か。自我とは何か。意識とは何か。

そんな哲学上の論争が、AIの台頭によって現実上の問題になっているというのは少し面白いですね。僕も大手を振ってこの種の話ができるというものです。

 

以下ネタバレ注意

 

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アメイジング・グレイス-What color is your attribute?- 感想 ―美しさの定義― (3802文字)

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「作品が……美しくある必要は、あるのでしょうか」

「……芸術って、そういうものじゃないのか?」

「何を持って人は美しいと言うのでしょうか。色ですか。形ですか」

 

ブランド:きゃべつそふと

シナリオ:冬茜トム・しげた

公式サイト:アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-

 

2018年萌えゲーアワードシナリオ賞金賞である今作。

梱枝りこ氏原画シリーズはなんだかんだで「いきなりあなたに恋してる」*1以来ですね。なんとゆーか昔の印象を引っ張ってるので、(昔も良かったのですが)CGめちゃくちゃキレイじゃん!とびっくりしてしまいました。

特にユネとかは、彼女自身のアクセサリーがとても豊富で、なんというか「女の子らしさ」を存分に感じたり。そうそう、こういうのがいいんだよこういうのが!

 

で、一応こんな可愛い絵柄をしつつ、本作のジャンルとしてはクローズド系終末ファンタジックループものです。わかりやすく言えば少しほのぼのした「はるまで、くるる」*2みたいな。

久しぶりにこういうサスペンス作品をやったせいか、非常に楽しめました。

次々と明かされる謎。テンポよく変わる展開。一方で、芸術という存在の荘厳さと恐ろしさ…。

様々な要素が混ざり合い、しかしその一つ一つが丁寧に必要不可欠な形で構成されている…。さすがシナリオ金賞!という感じですね。

調べてみたらライターの前作(もののあはれは彩の頃。)も高い評価を得ているようで。僕アレOPだけ見て「いやコレ地雷臭がするな…」と思った記憶があったのですが、名作だったのか…。買わねばな、とかなんとか。

 

今回はそんな今作が論じた「芸術」についてのお話。

当然のことながら、芸術の話は今作の主題ではなく、むしろ舞台設定に近いものなのだけど、まぁそれはそれ、これはこれということで一つ。

 

以下ネタバレ注意

 

*1:メイドがめちゃくちゃ可愛いゲームです。買え

*2:ハーレム終末モノです。買え

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5月6日:『金色ラブリッチェGT』『空に刻んだパラレログラム』など

お久しぶりです。生きております(定例挨拶)

日記として投稿するのは一年ぶりですね。前回の「すみれ」の記事で少し触れましたが、このブログ自体も3周年をもう迎えていて、気づけば元号も令和に…時の流れは本当に早いです。

 

記事としてのペースは落ちてきてしまっているのですが(2ヶ月に一本くらい?)、なんとか今年は10本くらい目指したいですね。いえ、今年はガラッと環境が変わってしまったので達成できるかどうかは分からないのですけど。

ただ、プレイしたゲームの数自体は減っているわけではなく(一時期Vtuberにドハマリしていたのでそれを除けば)一ヶ月に2本くらいのペースでクリア自体はしているんですよね。ただ「よし、記事書くぞー!」と思える作品と出会えないわけで…。*1

その上、デモンベインの10周年版とか、すばひびHDとかも積んでしまっているので、いずれはやりたいと思っています…いずれは…。

 

話は変わりますが、先日キャラ1に行ってきまして。実はああいったリアルイベントは初めてだったのですが、なんというか、こう、地獄感が凄かったですね…。Vtuberののらとと実況とか…いえ、否定するわけではないんですけど、地獄以外の言葉で形容できない空間があそこにはありました。うん、あれもまたひとつの情熱であり、青春ですよね!!

 

そんな感じで今回は『金色ラブリッチェGT』『空に刻んだパラレログラム』『はるとゆき、』『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』について。

以下、ネタバレ注意で。

*1:これは作品の巧拙というより、僕がなにか語りたいことに出会えたかどうかなので、誤解なきように。

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すみれ 感想 ―憧憬― (2689文字)

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自分から前に出て行かなけりゃ、何にもならない。

いつか、誰かが、この世界から連れ出してくれる。

そんな考えは、子供にだけ許された、甘えだと知ってる。

……でも、理屈で分かっても、頭で理解できても……

「そうよね。こんなこと言われて、変われるようなら……」

「最初から、ぼっちなんて、やってないわよね」

 

ブランド:ねこねこソフト

シナリオ:片岡とも

公式サイト:すみれ

 

ねこねこソフト15周年記念作品となる本作。どうやら過去作すべてのキャラを『ネット世界』に登場させているそうで、僕はねこねこソフトNarcissu以外にプレイして事ないので正確なことはわからんのですが、そのほとんどを新たに描き下ろし&収録してるそうですね…。

ワーエレの時に少し「〇〇周年でこういう作品を出せるのはすごい」と言いましたけど、それを余裕で飛び越えてきたというか。記念作品で言えばこうした形以上のものはないのでは?

 

というか今気づいたのですけど、Narcissuをプレイして感想を書いたのが丁度3年前なんですね。

いやぁ、時間が過ぎるのは早い。このサイトもなんなら3周年ですからね。

しかし、このサイトを運営し始めてから、僕も色々と心境やら生活やらが変わったというか。

少しづつ少しづつ、エロゲというものを(というか娯楽全般を)心から楽しめなくなったように思えるし、昔みたいな面倒くさい事も言わなくなってきて、なんというか『大人』になってしまったなぁ、とかそんなことを思っています。

 

「すみれ」の主人公も僕と同じような人間で、いつの間にか夢中になれるものを失ってしまい、ただただ周りに合わせて愛想笑いする。

なりたい自分はいるけれど、決してそうはなれないと分かってしまった。

 

そんな「すみれ」感想。以下、ネタバレ注意で。

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水葬銀貨のイストリア 感想 ―幸せな終わりのために― (3329文字)

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変わりたいと、思ったんだ。

全てを助ける存在こそ、僕が憧れたヒーローそのものなのだから。

 

ブランド:ウグイスカグラ

シナリオ:ルクル

公式サイト:水葬銀貨のイストリア

 

ウグイスカグラの2作目となる今作。前作「紙の上の魔法使い」が(某空間によると)結構鬱ゲーらしく、その反動で今作のキャッチコピーは『―――ハッピーエンドを、約束しよう』なのかなぁ、とか思っていたのですが、いやめちゃくちゃ重いですね…。「ハッピーエンド(エンド以外がハッピーとは言っていない)」みたいな。そういうことじゃないんですよ(いいぞもっとやれ)。

まぁ前作を(購入はしてるんですけど)プレイしてないんで分からないんですけど、比較的日常パートが優しくなりました、という話は本当らしいですね…。でもアレ、なんかタイミングがだんだん読めてきて「あ…そろそろ誰かが不幸な目に遭うな…」って予想させるからあんまり意味ないのでは。

 

で、タイトルにある「イストリア」なんですけど、調べたらどうやらギリシャ語で「物語」という意味があるそうで。

「水葬銀貨」というものが、物語内から「人魚姫」にイコールで繋がることから、「水葬銀貨のイストリア」は「人魚姫の物語」と変換することができるでしょう。

ならば、この寓話は一体誰が主人公(ヒーロー)で、誰がヒロインだったのか。

そこを踏まえた今回の感想。以下ネタバレ注意です。

 

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殻ノ少女 感想 ―生まれるために卵は在り、壊れるために殻は在る― (3626文字)

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目を背けていても、起きてしまった事は何も変わりはしないんだ。

それどころかとても大切なものまで見失ってしまう

 

ブランド:Innocent Grey

シナリオ:鈴鹿美弥

公式サイト:殻ノ少女

 

発売されたのが2008年なので、あまり当時の状況というのがわからないのですけど、発売前に開催された「登場人物の誰が死ぬかキャンペーン」はあまりにもあまりに過ぎてめちゃくちゃ笑いました。お前!ホントそういうところだぞお前!!(いいぞもっとやれ)

僕はこのゲーム単体で購入したわけではなく、イノグレ初期4作品をまとめた『PARANOIA』からやっているのですけど、フツーにこちらのほうがおすすめですね。前作であるカルタグラを含めてくれているので、そういう気遣いありがたいよなぁとか。

 

シナリオは(ENDに違いはあれど)ほぼ一本道で、カルタグラと同じく「やりたいことをやってる」感MAXな作品です。

実はこういう作品結構好きなんですよね。暗い作風が好きという意味ではなく(むしろ明るいくらいのほうが好きです)、作品の在り方に沿ったデザインが出来ているという…。うぅん、ちょっと言葉にしづらいんですけど、所謂「完成度が高い」というやつですね。

PULLTOPとかlightとかもそうなんですけど、高水準な作品を出し続けるメーカーって「作ろうとしているモノ」に対しての音楽やグラフィックの埋め方がとても上手いんですよ。なんというか「作品の作り方を心得ている」わけですよね。

まぁそういうのはむしろプロデューサーの手腕が問われるわけで、やはりエロゲーは芸術作品なのでは?と疑問を抱かざる負えないわけです(何の話?)。

 

今回は京極夏彦の著作が特に意識されているそうなので、そちらからの引用とかも。

そんな感じで、以下ネタバレ注意。

 

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