お久……本当にお久しぶりですね。
生きております。ワタシです。
毎度言ってますが実生活のほうがゴタゴタしてまして。
昔は純粋な忙しさだったのが、今では精神よりになってきて、せっかくのお休みもあまり有意義に楽しめてない感はあります。
まぁそこらへん上手く折り合いつけてなんとか頑張って行こうぜ、というお正月休みでした。何もしなくていいと本当にメンタル回復するなぁ…。
ボーっとしながらできることとして、漫画やソシャゲやらがありますが、これハマりすぎると頭使えなくなるなぁとかも思ったりします。
んー、まぁ何事もバランスですよね。6個ソシャゲを掛け持ちしている人間のセリフではありませんが。
というわけで今回は「フェイクアズール・アーコロジー」「さくらの雲*スカアレットの恋」「バタフライシーカー/カオス・ナイトメア」について。
いつもの通り、以下ネタバレ注意で。
フェイクアズール・アーコロジー
ここで諦める?それとも変える為に動く?
本作、前評判は聞いていたんですけどあんまり詳細を知らなくて、プレイしていくと「クローズド系管理社会SF」じゃないですか!こういうの好きなのでめちゃくちゃテンション上がっちゃいました。
まぁ言うほど管理社会でもないのですが。限られた資源とそれによる法の厳罰化。他の食料の部分なんかも結構考えられていて、純粋なSFとしても楽しめました。月の重力が偏っているって話はあんまり納得していませんが。そこまで気にしてたらしょうがないのでよくあるよくある。
閉じた世界、偽物の空、停滞した社会。それを壊しながら現れた見知らぬ少女。
もう1話のあらすじの時点で大体の作品構成が見えたのですが、別にそれが悪いわけではなく、きちんと示されていたからこそ読み手としてすごい楽でした。
そういう停滞/進歩を(個人的に)納得行く形で示してくれていたのがラインと莉音ルートですかね。
特に莉音ルートは主人公が異性関係において前に進めなかった理由を明言した上で、空に行きたい(先に進みたい)という願いの前にもう一回莉音が立ち上がってしまうのがすごい良かった。一番前に進むのを恐れていたのは莉音だったんですね…そこらへんともラインと正反対のキャラクターデザインだ…。
個人的には主人公と莉音がくっつくあたりでもう少しゴタゴタあっても良かったと思うのですが、まぁテンポもありますので…。
というかGRAND END、完全に幼馴染敗北の法則でしたね。
まぁ作品テーマ的にしょうがないけどさぁ!いいんだよ、人気投票では見事1位だったんだからさ!!
お気に入りキャラは莉音。面倒くさい性格×幼馴染=最高に好きの法則。
あと地味に戦闘BGMが好きだったり。
さくらの雲*スカアレットの恋
桜の樹の下には屍体が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。
何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。
冬茜トム氏によるループ系サスペンス3作目。いやぁ、今回もものの見事に騙されましたね。
まぁ加藤大尉が未来人ということは把握してましたが、主人公やアララギ、メリッサ周りは完全にやられました。「桜の樹の下には死体が埋まっている」→「煤の匂いと現れるアララギ」……あ、コレ完全に死んでるわと思い込んでました。
主人公がすごい合理主義なのも近未来的なSF的世界に生きていたからなど、しっかり理由づけて作られたりしていて、いやもうホント完璧でした。
あと加藤大尉の元ネタはおそらく荒俣先生の「帝都物語」でしょうね。んー、これはどちらかというと作者が、というより作中の加藤が意図的にその名前を引っ張ってきたんじゃないかと思いますが。アイツなんかミョーにミステリ周り好きだしな…
所長との離別ENDは本当に悲しかったですが、結末として凄い綺麗だったのであんまり文句もつけられませんね。まぁなぁ、あそこはああするしかないんだよなぁホントになぁ…。
百年の恋よ、萌え咲かれ―――
美しいものは、美しいもので出来ていない。あれだけ美しい桜なら、その下に屍体が埋まっていなければ釣り合いが取れない。
それは全く正しくて、僕たちが当たり前に生きるような桜の時代にも、その礎となった多くの人々がいる。それは例えば飢餓だったり、戦争だったり、疫病だったり。そんな暗黒の時代の中で、それでもより良い明日を目指して生きてくれた人達がいるからこそ、今私達はここにいる。
所長が司を想って願った恋が、やがて百年という時を経て咲き誇った。
やっぱりここらへんの引用と対比がすごい綺麗で、クリアしたあとに納得してしまったので所長ENDに何も文句が言えない僕なのでした!
お気に入りキャラは所長。やっぱり相棒キャラはすごい好きだし、ナチュラルに主人公より上の立場だからと色々甘やかしていたの最高でした。姉要素姉要素。
バタフライシーカー/カオス・ナイトメア
過去を振り返れば振り返るほど、遠くの未来が見えてくるだろう。
―――ウィンストン・チャーチル
非常に良く出来たサスペンスモノでした。ミステリやサスペンスって、実は作る側に体力がないと出来なくて、というのもどうしても登場人物が多くなってしまうんですよね。少なくとも加害者と被害者が必要になってくるし、ミスリード用のキャラも必要になってくる。しっかり演出しようとしていたら時間がかかるし、一個の事件だけだとなんか物足りなくなってしまう。
サスペンス/ミステリはそこに至るまでの過程が非常に大事なので、そこを疎かにしてしまうとなんだかチープになってしまう。
けれど本作は『バタフライシーカー』の演出や、次々に明かされる真相がしっかりとしてました。犯人の常軌を逸した行動原理を推測するために、ルールや法則を見出そうとする。まぁ一種の穴埋めですね。そこらへんを掴むとサスペンスとして上品な作品なんだなぁとわかると思います。
FDも含めて事件数も(比較的)多く、多くの面で満足でした。ただ、ピースが揃い始めると先が読めていきがちなのですが、まぁテンポも良いので割と不快には思わなかったり。学生ですしね。
久々に時間を忘れてプレイできる作品でした。めっちゃ良かったです。
というか本作、なんかシルプラにしてはちょっと突っ込んだなぁと思ったら嘘屋がおもいっきり関わってるんですね。どうりで!!
正月はコレとALPHA NIGHTHAWK*1をプレイしてたので嘘屋に囲まれた年末年始でした。
お気に入りキャラは天童さん。
この娘だけヒロインとしてのレベルが違う。
動機だけなら皆持ってる、計画するだけなら誰だってする、それがあるからと云って特殊なことじゃない、犯罪者と一般人を分かつものはそれが可能な状況や環境が訪れるか否かの一点にかかっている
つまりそれこそが蝶の羽ばたきであり、その先で日常に帰れなくなってしまった者たちこそ『鬼』という猟奇殺人犯になってしまう、というお話しでした。夏彦先生はすごいなぁ。
(終わり)
*1:ちなみにコレもオススメです。女性主人公とは思わんかったけど、やじまのぼる氏演じる一蔵がカッコよすぎて何も気にならなくなりました。