古明堂

『こめいどう』と読みます。主にエロゲの批評などをしております。

ワールド・エレクション 感想 ーきっと僕らはー (2594文字)

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それでも、俺は……全部が思い通りになるわけではないお前と、わかりあおうとしながら生きていきたい

 

ブランド:Whirlpool

シナリオ:近江谷宥

公式サイト:ワールド・エレクション

 

 

そのとおりだ、話すということが、ぼくらに残された唯一のチャンスだ

話すということがぼくらのチャンスなのだ

―――モーリス・ブランショ 『終わりなき対話』

 

 

 

以下感想。ネタバレ注意で。

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アニメ:ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? 感想 ―リアルとネットを区別する必要って本当にあるんですか?― (2921文字)

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私も、できることならそうしたいです。

けど、リアルはしんどいです…。

 

制作:Project No.9

原作:聴猫芝居

イラスト:Hisasi

 

萌えゲーの感想しか載せないと思った?

残念!アニメの感想も載せるのでした!

 

というわけでアニメ「ネトゲの嫁は(以下略)」の感想。アニメ分しか知らないので、原作の方と齟齬があってもしょうがない。よくあるよくある。

今回は「ネトゲの嫁は」が示している次世代のネット民のお話。昔書いた「ネットの世界を現実に持ち込むということ」や「フィクションは夢想か」にもつながっているので良かったらどうぞ。

 

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7月9日:『この大空に翼を広げて』『戦国†恋姫X』など

なんかブログに投稿すること自体が久しぶりですが生きております。お久しぶりです。

なんとゆーか、ここ3,4ヶ月ほんとに忙しくて、マトモにプレイ出来る作品が全然ありませんでした。「あきゆめくくる」をプレイしている辺りから忙しさに追いつかれた感じはありますね…。かといってこれから暇になるかと言うとそうでもない。普通に大変だ…。

というわけでストックもなかったんですけど、ようやく日記に書ける程度にはたまりました。まぁその分積みゲーもたまったんですけど。

 

そんな感じで今回の日記。

『この大空に翼を広げて』と『戦国†恋姫X』、あと『ノラと皇女と野良猫ハート』のネタバレ注意で。

 

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あきゆめくくる 批評 (4432文字) ―ラブコメディと共に―

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僕は轟山が言っている言葉の意味がわからなくて怖かった。

だけど――。

だけど、きっと、轟山が本当のことを言ってくれたのは、間違いなくて……。

「もっと説明してくれたらわかるかもしれない。だから、もっと喋ろうよ」

 

ブランド:すみっこそふと

シナリオ:渡辺僚一

公式サイト:あきゆめくくる

 

閉鎖空間ループ系ハーレムSF季節シリーズ第三弾、あきゆめくくる。というか、シナリオ氏は何かこういう題材じゃないといけないみたいな呪いでもうけてるんでしょーか。たしかどっかで、すみっこそふとでの仕事は自由にやらせてもらってるという旨の発言を見かけた気がするんですけど、これは果たして自由なんでしょうか。たしかに自由というのはむしろ規則があって初めて成り立つものではありますけど…何の話だコレ。

 

そんなこんなであきゆめくくるの感想です。

うーん、ちょっと土織キスちゃんが可愛すぎてヤバイですね。いえ、まったくこれっぽっちもロリコンではないんですけど。

個人的に、猫撫ディストーションの琴子みたいな、いわゆる「ロリ哲学」ジャンルが結構好みで(いわゆるのか?)。哲学的だったりSFチックな作品の解説役にロリを当てるというのはあれですね、コーヒーに砂糖を入れる感覚ですね。

 

というわけで以下感想。ネタバレ注意で。

 

 

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なつくもゆるる 感想 ―世界の終わりを越えて― (2854文字)

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ブランド:すみっこそふと

シナリオ:渡辺僚一

公式サイト:なつくもゆるる

 

 

もう少し先でいい。

世界が終わるのはもう少し先でもいいかもしれないんだぞ。

 

 

稀代のロリゲー、なつくもゆるる。一応ロリである必要性(理由)というのは作品内でしっかり説明されてますけど、うん、多分コレは作り手側の趣味ですね。

前作の「はるまで、くるる」の小説版(非18禁)が発売されたこともあって、あきゆめと一緒に買ったんですが、めちゃくちゃ面白かったです。シナリオのテンポと奥深い舞台設定。世界観をきっちり伝えるために簡単な絵を使ってるとこもユーザーに優しくて良いですね。

 

なんというかやっぱり、「恐怖」ってのはシナリオを読み進めさせる上での大事なスパイスになるのかなぁ、と思ったり。

あと僕はロリコンじゃないので、ものべのの後のこれは若干ロリ食傷気味でした。まぁよくあるよくある。

 

というわけで以下感想。ネタバレ注意で。

 

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3月20日:『桜花裁き』、『オトメ*ドメイン』など

久しぶりの日記。

日記というかコレ感想メモに名前変えたほうが良いんじゃないのかなぁとか思うけどそれはそれ。

 

3月に入って時間に余裕が漸くできてきたので色々終わらしたいなぁ…。結構いろんなゲーム積んでるんだけど、なんか新しいゲーム買っちゃうんだよね…。

とりあえず今は2年前にやり始めたものべのを再びやり始めたり。うーん、困った、細かいとこ全然覚えてないぞ?

 

という感じで各所メモ。今回は『桜花裁き』、『オトメ*ドメイン』『イブニクル』、『緋のない所に烟は立たない-緋修離と一蓮托生の女たち-』について。

今回はビジュアルノベルばっかだなぁ、という感じで。ネタバレ注意。

 

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Re:批評と云う名の呪術/テーマという御伽話

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呪いというのは、この世に本当にあるものなのか?

 

呪いはあるぜ。しかも効く。呪いは祝いと同じことでもある。何の意味もない存在自体に意味を持たせ、価値を見出す言葉こそ呪術だ。プラスにする場合は祝うといい、マイナスにする場合は呪いという。呪いは言葉だ。文化だ。

 

――関口、京極堂 (京極夏彦著『姑獲鳥の夏』)

 

 

「批評と云う名の呪術」というのは、僕が尊敬し、このブログを始める契機にもなったのりさんによるブログ、「臥猫堂」に掲載されていたコラムの一つであります。

この「臥猫堂」はかつてNiftyのブログで運営されていたのですが、この間このNifty自体が閉鎖し、ブログをみることができなくなってしまいました。(のりさんはブログをHatenaの方に移したのですが、移転作業を途中でやめてしまいました)

なので、ということでもないのですが、僕が感銘を受けたコラムを自分なりに再構築してみようかなというわけです。それに加え、僕なりの「作品論」というものを話せればな、という回です。

 

さらに、今回の記事で、僕が以前友人に言われた「作品に伝えたいテーマがあるなら、それを作品に込めずそのテーマをそのまま言えば良いのではないか?」という問いの回答が出来ればな、と思います。まぁその友人は覚えてないし見てもないでしょうけど、こういうのは自分の気分ですよね。という感じで。

 

サクラノ詩』、『あけいろ怪奇譚』で同じような話してるんですけど、まぁ気にしない方向で。

 

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